カナロコ by 神奈川新聞 6月27日(月)7時34分配

選択的夫婦別姓をテーマにした講座が26日、川崎市高津区の市男女共同参画センター(すくらむ21)で開かれた。民法の夫婦同姓規定を合憲とした昨年12月の最高裁判決を基に、市民らが実体験を踏まえた意見を交わし、課題を探った。  川崎の男女共同社会をすすめる会と、NPO法人かながわ女性会議川崎の主催。講座では、川崎北合同法律事務所の湯山薫弁護士が最高裁の合憲判断について解説した。  判決では、民法の規定が「結婚の効力の一つとして夫婦が夫または妻の姓を称することを定めたもので、結婚することについて直接の制約を定めたものではない」とされた。湯山弁護士は「名字を統一して届け出なければ結婚が成立しないため、名字の変更は結婚の条件になっている。それが婚姻の自由に対する制約」と指摘。名字変更で生じる不利益は通称の使用で緩和されるとした判決についても、「公務員である裁判官も、判決を書くときに通称は使えない。弁護士も成年後見人などの申し立ては本名でないと通らない」と現状の課題を挙げた。  参加者同士の意見交換では「姓と名前でアイデンティティーを感じる」「夫の姓に変えるときは違和感があったが、どう反発すればいいか分からなかった」などの声が上がった。湯山弁護士は「男女が対等で、夫婦で相談して決められるのが当たり前なら誰も疑問を感じない。夫婦の96%は妻が夫の姓に変更していることが問題」と訴えた。