『うれしいの~』(昭和47年5月15日ともしび会便りより)

『うれしいの~』(昭和47年5月15日ともしび会便りより)

松本  いくの  (現 角藤さん夫人)

私の生まれたところは、佐賀県の『嬉野』という温泉町です。

ここの温泉はいまでも50度~70度の熱い湯がでて町のほとんどの家では

お風呂を沸かしたりはいたしません。おもしろいのは、この『嬉野』という町名の由来です。

昔、天皇様が旅行されこの町を通られました。天皇様は大変おつかれになっており、

温泉に入られ、大変気分がよかったとみえ『うれしいの~』とおおせれれたそうです。

そこから、『嬉野』という名前が生まれました。又、『嬉野』ではお茶の名産地です。

お茶といえば、静岡、京都が一般に知れれていますが、

嬉野茶も見逃す事のできないいい味をもっています。 

私もお茶がすきで今でも、田舎から送ってくれう物が一番おいしく飲めます。

郷土芸能では古くから浮流という踊りがあり、先日もNHKの『ふるさとの歌まつり』

で紹介されたばかりです。秋まつりにこれが行われ、練習が夜おこなわれているのですが、

笛やたいこの音に悩まされています。

しかし、この情ちょ深い芸能も年々すたれ、ちゃんと教えられる人は少なくなりました。

父もその一人ですが私は父が増えをふく姿、たいこを打つすがたにはいつも感動いたします。

私のふるさと、小さな小さな片田舎の町をここに御紹介いたしました。

 

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